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bookとwarに関するHeavyFeatherのブックマーク (7)

  • 「八月の砲声」はスゴ本

    ノーベル平和賞を受賞したノーマン・エンジェルは、国際平和における経済の相互依存関係を重視した。ベストセラーとなった「大いなる幻影」で、これだけ財政・経済が緊密にからみあう現状では、戦争は実行不可能だと証明した。第一次世界大戦が勃発する5年前のことだ。 もちろん戦争は外交の延長にあるが、為政者は戦争を避けたいと考える。勝っても負けても苦しい目にあう、割りに合わないものだから。では、"なぜ"戦争が起きるのか?ピューリッツァーを受賞した「八月の砲声」を読むと、この設問が誤っていることに気づく。 どんな国も戦争を起こすようなバカなまねはしたくないはず。「だが、"なぜ"戦争が起きるのか」…この問いからは、戦争が起きる理由をたどれない。正しくは、"なぜ"戦争をしたかではなく、"どのように"戦争に至ったのか、になる。 なぜなら、戦争の理由を追求すると、イデオロギーになるから。"なぜ"をつきつめると、「悪

    「八月の砲声」はスゴ本
  • 「ちょっとピンぼけ」はスゴ本

    戦争ルポルタージュの傑作といえば、開高健の「ベトナム戦記」だッ(断言)。だが、書はこれに匹敵する。作家のマナコと写真家のファインダーには、それぞれ違う戦争が映ったが、砲声と血潮と吐瀉物は一緒。胃の腑に石を詰める読書になる。 War Photographer すなわち戦争写真家の地位を確立した、ロバート・キャパの、あまりにも有名な波乱万丈のレポート。第二次大戦のアフリカ、イタリア、ノルマンディー、パリ、ドイツの激戦区を、キャパとともに疾走する。 キャパは報道写真について、ドキュメンタリズムについて、強いメッセージを送っている。被弾して車輪が下りず、胴体着陸した爆撃機に駆け寄ってカメラを構えたキャパに、「写真屋!どんな気で写真がとれるんだ!」と罵声が飛ぶ。あるいは、「登ってゆくほど、死体と死体の間隔はせまくなっていく」文字どおり死体の山を踏み分けてゆく。そんなとき、キャパはこう考えている。

    「ちょっとピンぼけ」はスゴ本
  • 10ドルの大量破壊兵器「AK-47」がもたらした世界

    「こうと分かっていれば、自分は時計職人にでもなるべきだった」 アインシュタインのこの言葉を思い出す。自分の研究の"成果"である原子爆弾がもたらした惨事を知ったときのセリフだ。ミハイル・カラシニコフは、自分がつくったAK-47について、こう語っている。 「わたしは自分の発明を誇りに思っている。しかし、それがテロリストたちに使われているのが哀しい。人びとが使えて、農民の助けになるような機械を発明すればよかった。たとえば芝刈り機のようなものを」 単純な構造のため誰でも扱え、めったに故障せず、きわめて安価なアサルト・ライフルAK-47。この突撃銃は、戦争の形態から世界のパワーバランスまで変えてきた。累計一億挺以上つくられてきたAKの構造と、世界に蔓延していく様を、(悪い意味での)ジャーナリスティックに描いている。「アフリカクレジットカード」と呼ばれるほどコモディティ化しており、人類史上最も人を殺

    10ドルの大量破壊兵器「AK-47」がもたらした世界
  • フィクションとノンフィクションがせめぎあう「戦争の悲しみ」

    ヴェトナム戦争を、ハリウッド映画で知ったつもりの頭に、ガツンと一撃。 オリバー・ストーンやコッポラ、キューブリックだけじゃない。カチアートを追跡してその狂気に交ざり、おとなしいアメリカ人のダブスタに戸惑い、輝ける闇を覗き込んで震えた――が、これらはレイプする側か、現場を視姦する立場から描いたヴェトナム戦争。 反面これは、蹂躙される側から描いた抗米戦争。投下される爆弾と流れる血の量はハンパじゃないので気をつけて。空爆と空襲の違いは、片方が一方的に圧倒的なところにある。あんまりな描写にフィクションとして扱いたくなる。キャタピラにこびりついた人肉が腐りきって辟易し、河に入って戦車を洗車するくだりは見た人にしか書けない。 「…中でハンドルを握ってると、その感じがピンと来る。地面の小高くなっているとことか、木の切り株とか、倒れた煉瓦塀とかに乗り上げるのと全然違うぜ。あっ、こいつ間違いなく人間だ、人間

    フィクションとノンフィクションがせめぎあう「戦争の悲しみ」
  • ■ - 本屋のほんき

    篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝 (河出文庫 た 24-1) 作者: 竹熊健太郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/12/04メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 689回この商品を含むブログ (80件) を見るあのモリミー先生が、これは面白いと絶賛されていたので、即購入。帯には川上未映子さんの「ものすんごい名著です。」の推薦文が。期待した読んでみたが、うん、これはまったく期待を裏切らない。 このがどういうかというと、竹熊健太郎氏が、戦後のサブカルチャーを裏で支えたものすごい人たちにインタビューに行く、というそれだけの内容である。それ以上でもそれ以下でもない。 しかし、その人たちが当にすごい。康芳夫、石原豪人、川内康範、糸井貫二。この中でどれだけの方がこの四名をご存知だろうか。そして、このを読み終えたあとで、この四名を忘れてしまえるという人がどれくらいいる

    ■ - 本屋のほんき
  • 404 Blog Not Found:シビリアン必読 - 書評 - 戦争における「人殺し」の心理学

    2008年08月03日05:30 カテゴリ書評/画評/品評Taxpayer シビリアン必読 - 書評 - 戦争における「人殺し」の心理学 戦争の心理学 - レジデント初期研修用資料を見て入手したのだが.... 戦争における 「人殺し」の心理学 Dave Grossman [原著:On Killing] すごい。すごすぎる。スゴ中のスゴ。 民と兵が分かれている国における民、すなわちcivilian(シビリアン)=有権者は必読の一冊ではないかこれは。 書「戦争における「人殺し」の心理学」は、兵士にして心理学者である著者が、戦争、すなわち「誰かのために人を殺す」とはいったいどういうことであり、そしてそれが人の心に何をもたらすのかということを、「鬼手仏心」に書いた一冊。 目次 - 筑摩書房 戦争における「人殺し」の心理学 / デーヴ・グロスマン 著, 安原 和見 著を大幅追補 献辞 謝辞 は

    404 Blog Not Found:シビリアン必読 - 書評 - 戦争における「人殺し」の心理学
  • 戦争の心理学 - レジデント初期研修用資料

    戦争の心理学というの抜き書き。 書の目的は「裁くことでも非難することでもなく、ただ理解すること」。 「パンツを汚す」兵士は珍しくない 警察官や消防士として負傷者の救出に当たっている人は、負傷者の大小便失禁が珍しくないことを知っている 戦闘中の人間にも、大小便失禁は珍しくない。みんな面子にこだわるので、そうしたことは公然と認められず、失禁した兵士は、 自分がどこかおかしいのではないかと思ってしまう 激しい戦闘を体験した兵士のおよそ半分が尿を漏らしたと認め、四分の一近くが大便を漏らしたと認めている にもかかわらず、「パンツを汚した」兵士が出てくる戦争映画は、かつて作られたためしがない。典型的な兵士の姿は、だから嘘に基づいている スターリングラードの戦いから生還したロシアの兵士は、当時の平均年齢70歳に対して、皆40歳前後で死亡したのだという 「気のゆるみ」は正常な反応 ナポレオンは「もっと

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