いろいろなところから「今年の三冊」や「今年の五冊」といったアンケートが届く。 毎年すらすらと書いて投函するのであるが、今年は全部お断りしている。 別に「選ぶべきベストがない」というような定見があってのことではない。 一年間で三冊も本を読んでないからである。 たしかに本は読んでいる。 絶えず読んではいるけれど、半分は「調べ物」のためであり、半分は「エンターテインメント」である。 調べ物はその本質上「飛ばし読み」であるし、エンター系はしばしば泥酔状態で読んでいるので、翌朝はもう何も覚えていない。 「読んだ」という以上は、やはり読んで「震撼させられた」というくらいのインパクトがあり、 それによって翌日から世界の見え方が変わった、というくらいのものでないと困る。 そのような本に今年は出会うことができなかった。 わりと集中的に読んだのは池田清彦先生の本と茂木健一郎さんの本であるが、このお二人はどちら