人が好むものは美しいものばかりとは限らない。特にぼくはそうだ、と自覚している。 ぼくは小学生の頃、よく鉄道の高架下で遊んでいた。そのせいかどうか分からないが、高架下の風景が好きだ。無機質に立ち並ぶコンクリートの構造柱。使い道もなく打ち捨てられたような空間。どう考えても好ましい風景ではないが、どうしようもなく惹かれる。 毎回のことながらニーズがあるのかどうかも分からないテーマだが、今回はこの高架下の風景を取材・鑑賞していこうと思う。どうか「自分も好き」という人がいますように。 (text by 大山 顕)