「首都圏の原発」という無理筋の選択 まるでブレーキの壊れた高速列車のようだ。半径30キロ圏内に96万人が居住する首都圏の原発「東海第二発電所」の”廃炉逃れ”の動きが止まらない。 東海第二はあの東日本大震災以来、運転を休止している原発である。が、運営主体の「日本原子力発電」(東京都千代田区)は再稼働に並々ならぬ意欲を持っており、2014年5月から原子力規制委員会の審査を受けていた。しかし先週24日、およそ1年後に運転期間の上限(40年)を迎えて自動的に廃炉になる事態が迫ったため、期間をさらに20年間延長する申請を行った。 同業の電力関係者の間でも、設備の耐久性から見て「あと20年、(東海第二を)支障なく稼動できるとの判断はそうおかしいと思わない」「経営破たんでもされたら、当社が債務保証の履行を迫られたり、保有する原電株が紙くずになりかねないので痛手だ」と再稼働に理解を示す向きがあるのは事実だ