ニューヨーク・タイムズの『暴露』評 新聞の書評欄は単なる「新刊紹介コーナー」なのか。それとも「ジャーナリズム」なのか。結論から言うと、単純化すれば日本では前者、アメリカでは後者である。 アメリカの「ジャーナリズム」志向を示すうえで格好の実例がある。前回の当コラムでも取り上げた『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(原題は「ノー・プレイス・トゥー・ハイド」)について、米ニューヨーク・タイムズが取り上げた書評だ。 アメリカ人ジャーナリストのグレン・グリーンワルド氏が書いた『暴露』は、米国家安全保障局(NSA)による広範なスパイ活動を暴露したベストセラー本。主人公のエドワード・スノーデン氏は米タイム誌「パーソン・オフ・ザ・イヤー(今年の人)」の次点に選ばれ、グリーンワルド氏らが放ったスクープは調査報道の金字塔として今年のピュリツァー賞を受賞しているだけに、注目度抜群だ。 ニューヨーク・タイムズ