日本は、「自分の車に自費でガソリンを入れ、自ら運転する高速道路の料金が、乗れば目的地まで運んでくれる鉄道の料金より高い」という、世界的にも異常な状態にある。トヨタの元副社長で名古屋商工会議所副会頭なども務めた栗岡完爾氏、岐阜県庁で企画・経済振興などの分野で活躍した近藤宙時氏は、「モノの流れや人の流れを妨げている現在の高速道路のあり方こそ、経済の沈滞を生み、地域間の格差を広げてきた元凶」と話す。 モノづくりは日本の得意分野ではあるが、自動車や家電など一部の分野を除くと、国内市場が大きかったために、輸出にはあまり力を入れてこなかった。そのため、国際競争力を高めるにはかなりの時間がかかる。ましてこの20年間、日本経済が停滞し続けていたように、経済規模を大きくしようとするのは極めて難しい。 特に、これまでずっと企業誘致を行ってきた地方にとっては困難な話だ。明治以来の悲願といっていい中央と地方の格差
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