7月4日、携帯電話の未来をテーマとしたシンポジウム「モバイル08」が開催され、iモードやおサイフケータイの育ての親として知られる夏野剛氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授)が講演を行った。講演は、「SF映画の中に見る未来のケータイの姿」をテーマとするものだったが、その中では、日本の携帯電話市場のメタファーとして使われることがある「ガラパゴス論」や、子供のケータイ利用で議論されている「フィルタリング問題」にも触れ、相変わらずの“夏野節”で、諸問題に対する考えを述べた。 日本のケータイ市場はガラパゴス――これは半分当たっていて半分はウソ 日本の携帯電話市場は他の諸外国と異なり、携帯キャリアがサービスや機能の仕様を決め、その仕様に合った端末をメーカーが開発するというのが一般的だ。そして、各種サービスの早期普及を目指して、「安価に端末を提供し、その分のコストを通信料で回収する」という