わたしたちプログラマがゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでにシステム開発は、“妖精さん”のものだったりします。 わたしはそんな“妖精さん”と、営業との間を取り持つ重要職、准公務員である《相談役(コンサルタント)》として新卒採用され、故郷であるタメイケの山王へと帰ってきました。 定年延長で再雇用されている祖父でも現役でできる仕事なのだから、さぞかし楽なことだろうと、この職業を選んだわたしでしたが、はてさて、現実とはしごく残酷なもので……。 「にんげんさんー、にんげんさんー」「どうかしましたか? 妖精さん」「しつもんあるですー」ぴょこん、とある種の中毒性を持つスナック菓子の穴から顔を出したのは、手のひらサイズの身長に、見事な3頭身。 まるでねんど製愛玩人形のような趣を持つ、非常に愛くるしい外見の生命(?)体。これが、現在この地球で最も繁栄している種族。「現プログラマ」こと、“妖精さん”です