入江泰吉記念奈良市写真美術館(同市高畑町)で、写真の現在と未来を考える展覧会「加速するヴィジョン あ3(あの3乗)」が開かれている。28日まで。 ネット空間を使ったバーチャル美術館構想に取り組む同館が、奈良女子大などと連携する人材育成事業の一環。同館が所蔵する入江泰吉の写真を活用し、若い世代が表現や文化資源の保存・活用技術などを学ぶ。文化庁の事業に採択され、昨年6月から各分野の専門家が講座を行ってきた。 この展覧会は事業の成果発表という位置づけ。事業に携わった2組の作家が奈良に1カ月滞在して手がけた作品を展示している。 写真家の藤岡亜弥さんは歩き回って見つけた街並みや建物、人などに着想を得て、「これまで撮ったことのなかった『奈良』」を写した。アーティスト・ユニットの「SHIMURAbros」は、曼荼羅(まんだら)から抽出した東洋的な三原色を題材に色を変える立体を作った。映画のフィルムを切り