ブックマーク / realsound.jp (9)

  • BLの源流『JUNE』元編集長・佐川俊彦インタビュー「女の子は美少年の着ぐるみを着ると自由になる」

    1978年に『Comic Jun』として創刊され、同名ブランド「JUN」があったことから第3号より『JUNE』と改題されたこの雑誌は、女性向けの男性同性愛をテーマとした点で後のBL(ボーイズラブ)の源流となった。かつて“JUNE”は、このジャンルの総称でもあったのである。マンガ中心の同誌は一時休刊をはさみつつ1980年代に熱心なファンを獲得し、1982年より姉妹誌『小説JUNE』も発行された。だが、BL台頭後はテイストの違いから退潮を余儀なくされ、2013年に『JUNE』ブランドの雑誌は姿を消した。『JUNEの時代 BLの夜明け前』は、アルバイト時代に同誌を企画して編集に携わり、やがて編集長となった佐川俊彦の回顧録である。彼は、時代の推移をどのように見つめていたのか。(円堂都司昭/6月10日取材・構成) 改題前の創刊2号と改題後の3号 ――若い頃からマンガに親しむなかで、『JUNE』という

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    ICLWOR
    ICLWOR 2024/07/01
  • 追悼 チバユウスケ TMGE、The Birthday……鮮烈なロックを追求し続けた極上のフロントマン

    カッコいいヤツだったな。 モデルのようないわゆるイケメンでもないし、俳優のようにスマートでもない。ちょっと背の痩せっぽちで、何だか迂闊なところもある。けれど、あの嗄れた声で歌い出すと途轍もない存在感を発して聴く者を圧倒する。ロードムービーのようにイメージを飛ばしていく歌詞と切れ味抜群のロックンロールは、空気をビリビリと震わせた。それを極上のバンドのフロントで歌うのだ。カッコいいと言うしかない。チバユウスケは、アーティストというより常にバンドマンだった。 揃いのブラックスーツで、パンクでホットなガレージロックを鳴らしたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(以下、TMGE)、元BLANKEY JET CITYの照井利幸(Ba)とASSFORTのMASATO(Dr)と組んだROSSO、そして骨太かつメロディアスなロックを貫くThe Birthday。どれも最高のライブバンドだ。

    追悼 チバユウスケ TMGE、The Birthday……鮮烈なロックを追求し続けた極上のフロントマン
  • メタルは“開かれた音楽”として発展する ポップスやヒップホップなど広範なジャンルへの浸透も

    近年のポピュラー音楽シーンにおけるメタル要素の普及・偏在化 この記事の趣旨は「近年(2010年代終盤〜2020年代以降)のメタル動向の総括」なのだが、それを具体的に述べる前に、読者の方々、特に「メタルは自分とは関係ない」と思っている人に知ってほしいことがある。 ①音楽ジャンルとしてのメタルをあまり聴いていないと思っている人でも、メタル的な音を耳にする機会は実は多い。 ②近年、世界的に大きな支持を得ているカルチャーがメタル由来の意匠を用いることが増えてきているため、メタル的な視覚要素が人目に触れる機会も非常に多い。 まず、①について。例えば、リナ・サワヤマやフィービー・ブリジャーズはインディ〜オルタナ方面の音楽ファンから大きな支持を得ているが、ともにメタルに影響を受けており、いずれもMetallicaのカバーアルバム『The Metallica Blacklist』(2021年)に音源を提供

    メタルは“開かれた音楽”として発展する ポップスやヒップホップなど広範なジャンルへの浸透も
  • 『スキップとローファー』になぜ心を動かされるのか? アニメ監督×原作者インタビュー

    桜も舞い散り、新しい場所での新生活が始まる4月。高校生のスクールライフを描く高松美咲原作の『スキップとローファー』がアニメ化された。コメディ的な面白さとともに高校生の人間関係の機微を描いた作。登場人物たちがゆっくりと成長していく様子が、多くの読者の共感を集めている。 作の魅力はその人間関係のリアルさにあり、一方で多くの読者にとっての理想像でもある。アニメ化において、キャラクターたちの細やかな感情や成長の様子はどのように表現されたのか。監督を務めた出合小都美と原作の高松美咲の対談インタビューで、理想的なアニメ化がされた背景に迫る。 岩倉美津未と志摩聡介のモチーフは、司馬遼太郎『関ヶ原』の石田三成と島左近 ーー『スキップとローファー』がアニメ化されることが決定した際、お2人はそれぞれどのように感じましたか? 高松美咲(以下、高松):実はアニメ化の話をもらえるとは全然思っていなかったんです。

    『スキップとローファー』になぜ心を動かされるのか? アニメ監督×原作者インタビュー
  • 佐野元春に聞く、最高を塗り替えていく音楽家であり続けるための秘訣 欠かせないバンドの存在も

    佐野元春が7月にリリースした最新作『今、何処』が、各所で反響を呼んでいる。4月にリリースされた『ENTERTAINMENT!』と合わせて完成までに約3年を要したという作には、パンデミック前に書かれた曲が収められているのだが、数年前には想像もできなかった混沌とした現在の世相にフィットした楽曲たちが並んでいるのには驚く。個を尊重するということ、どう“今”と向き合い“明日”を迎えるのかといった、世代問わず今を生きる人々の心に軽やかに、しかし深く語りかける言葉の数々が印象的だ。また、ライブを重ねる中で磨かれてきた小松シゲル(Dr)、高桑圭(Ba)、深沼元昭(Gt)、藤田顕(Gt)、渡辺シュンスケ(Key)らTHE COYOTE BANDと鳴らすサウンドも円熟の極みに達していて、バンドとしての充実ぶりも伝わってくる。 今回リアルサウンドでは、聞き手に音楽ジャーナリストの宇野維正氏を迎え、佐野元春に

    佐野元春に聞く、最高を塗り替えていく音楽家であり続けるための秘訣 欠かせないバンドの存在も
  • 村田沙耶香が語る、世界に向けて小説を書くこと 「自分にとって都合の悪い作品を作りたい」

    今の自分が見ている現実は、絶対的なものではないかもしれない。村田沙耶香はこれまでも読者の足元をぐらつかせるような小説を書いてきたが、最新作『信仰』(文藝春秋)でもまた、既存の価値観を問い直している。 好きな言葉は「原価いくら?」だという現実主義者の主人公が、同級生からカルト商法を持ちかけられる––。「信じること」に正面から向き合った表題作をはじめ、65歳時点で生きている確率が可視化された世界を描く「生存」など、8篇の小説・エッセイが収録されている。 フェイクニュースや陰謀論が飛び交う現代において、信じるとは一体、どういうことなのか? どのような思いで小説を書いているのか? 村田に今、作家として感じていることを聞いた。(小沼理) 速度の速い正しさが怖い ――表題作の「信仰」を書いたきっかけを教えてください。 村田:知り合いがマルチにハマった時とか、友達がモラハラしてくる人と付き合っていて別れ

    村田沙耶香が語る、世界に向けて小説を書くこと 「自分にとって都合の悪い作品を作りたい」
  • まるでドキュメンタリー!? HiGH&LOWスピンオフ『THE MIGHTY WARRIORS』の新しさ

    EXILE TRIBEやE-girlsが所属するLDHのEXILE HIROが総合プロデュースを務める『HiGH&LOW』(以下、『ハイロー』)は、テレビドラマ、映画、ライブ、漫画SNSといった様々なジャンルで展開される世界初の総合エンターテイメントプロジェクトだ。11月11日に公開した『HiGH&LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION』が盛り上がりを見せる中、とあるDVDがドロップされた。 タイトルは『HiGH&LOW THE MIGHTY WARRIORS』。湾岸地区を根城として、SWORD地区を狙うギャングチームの活躍を、編集してまとめたスピンオフ作品だ。 MIGHTY WARRIORSは強者の共同体 『HiGH & LOW THE MIGHTY WARRIORS』【Blu-ray+CD】 MIGHTY WARRIORS(以下、マイティー)は、アメリカ海軍のベース

    まるでドキュメンタリー!? HiGH&LOWスピンオフ『THE MIGHTY WARRIORS』の新しさ
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    ICLWOR 2018/01/06
  • “全員主役”はまるでウータン・クラン!? ヒップホップ文脈で読み解く『HiGH&LOW』の真意

    EXILE HIROが企画・プロデュースを務めた『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』が、現在公開中だ。『HiGH&LOW』は、リアルとファンタジーがコラボした世界観で、映画、ドラマ、動画配信、コミック、SNS、アルバム、ライブなど、あらゆるメディアを巻き込んだ総合エンタテインメント・プロジェクト。劇場映画第三弾となった作には、これまでシリーズ作に出演してきた俳優陣が続投するほか、新キャストとして、EXILE TRIBE のメンバー小林直己、NAOTO、関口メンディーらが名を連ねている。 “全員主役”というコンセプトのもと、複雑な人間関係を華麗なアクションとともに描き出す作は、その独自性から幅広い層のファンを多数生み出しているが、その方法論の根底には、ヒップホップ・カルチャーの影響が色濃くあるという。 ポップ・カルチャーへの造詣が深く、『AKB商法とは何だっ

    “全員主役”はまるでウータン・クラン!? ヒップホップ文脈で読み解く『HiGH&LOW』の真意
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    ICLWOR 2017/11/14
  • 坂本慎太郎がたどり着いた“答え”「僕が作りたいような音楽を自分で作るのは不可能」

    慎太郎が、ソロ3rdアルバム『できれば愛を』を7月27日にリリースする。前作のソロ2ndアルバム『ナマで踊ろう』は、「人類滅亡後に流れている常磐ハワイアンセンターのハコバンの音楽」というテーマを担っていたが、今作は「夏休みの最初の日の朝っぽいアルバム」を目指し、自分の“声”と向き合った、ポップでシニカルなダンスレコードに仕上がっている。今回のインタビューは、前回【坂慎太郎はなぜ“人類滅亡後の音楽”を構想したか「全体主義的なものに対する抵抗がある」】に引き続き、聞き手に音楽評論家の小野島大氏を迎え、前作以降に起こった変化や今作の制作プロセス、さらには坂自身のポップス・ロック論まで語ってもらった。(編集部) 「鋭い音を一切排除して、中域の密度を重視した」 ーー今回も大変面白いアルバムでした。 坂慎太郎(以下、坂):あ、ほんとですか。ああ……(反応が薄い)。 ーーははは……前作から2

    坂本慎太郎がたどり着いた“答え”「僕が作りたいような音楽を自分で作るのは不可能」
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    ICLWOR 2016/07/28
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