2022年9月18日のブックマーク (2件)

  • SUMMER FALL #14 - リバーサイドコップ(松田悠士郎) - カクヨム

    覆面パトカーを警察病院の前に乗り付けた甲山は、手術を終えた蓑部が運び込まれた病室に入った。広めの個室の奥に鎮座(ちんざ)するベッドに、腹部を分厚い包帯で固定された蓑部が横たわり、その傍(かたわ)らに草加と仲町が立っていた。甲山はふたりに目配せしてから蓑部に近寄った。仲町が小声で告げる。 「医者から五分だけって言われてます」 甲山が無言で頷くと、仲町は軽く会釈して病室を出た。その背中を見送ってから、甲山は草加が側から出して来たパイプ椅子に座り、努(つと)めて穏(おだ)やかな口調で蓑部に話しかけた。 「何で、あんな無茶したんだ?」 蓑部は生気の薄い目で甲山を見ると、溜息混じりに答えた。 「もう、生きてても仕方ないと思って」 「やっぱり、あの時吉成にわざと刺させるつもりだった?」 後ろから草加が訊いた。蓑部はゆっくり頷いて続ける。 「七年前に、親父もお袋も立て続けに亡くなって、俺の肉親は祥子だけ

    SUMMER FALL #14 - リバーサイドコップ(松田悠士郎) - カクヨム
    IDEA_JAM_U46
    IDEA_JAM_U46 2022/09/18
    おしまい!
  • SUMMER FALL #13 - リバーサイドコップ(松田悠士郎) - カクヨム

    ヘッドスライディングの要領で前方に飛び込みながら発砲し、地面に腹這(はらば)いになって顔に砂粒を付着させた甲山が上げた視線の先で、蓑部の身体が膝から崩れ落ち、草加が駆け寄って抱き止めた。その向こう側で、スラックスの右腿を朱(あけ)に染めた吉成が横倒しになって苦悶(くもん)していた。甲山の撃った銃弾が貫通(かんつう)したのだ。 「平井! 吉成を確保! それと救急車!」 甲山は跳ね起きながら大声で平井に指示を飛ばすと、チーフスペシャルをホルスターに納めて蓑部に駆け寄った。 「蓑部! しっかりしろ!」 草加が声をかけながら支えている蓑部の正面に回った甲山の目が、驚愕(きょうがく)で大きく見開かれた。 蓑部の腹部、正中線より左側に吉成が突き出した包丁が半分程刺さっていた。着ているTシャツが鮮血を吸って色を変えていた。 「オイ! 蓑部!」 甲山が顔を近づけてがなると、蓑部は空(うつ)ろな目で甲山を見

    SUMMER FALL #13 - リバーサイドコップ(松田悠士郎) - カクヨム
    IDEA_JAM_U46
    IDEA_JAM_U46 2022/09/18
    本当は今回で終わらせるつもりだったが、長くなるのでわけた。