2023年5月21日のブックマーク (1件)

  • 鳳凰落とし #13|松田悠士郎

    ベッドに押し倒し、馬乗りになって組み伏せた早月が、銀縁眼鏡越しに睨みつける。 嶋野がその顔を張り飛ばすと、眼鏡が飛ばされて左目尻のホクロが露になった。と同時に、早月の顔が夢の中の女性に変わった。 息を飲む嶋野に、女性の真っ赤な唇の端から鮮血が流れ、その口がゆっくり開いた。 『また ころすの?』 「!」 目を見開いて顔を上げた嶋野に、近くに居た客やウェイトレス等が注目した。眉間に皺を寄せながら、嶋野は首を回して周囲を見た。状況を把握すると、溜息と共に頭を振った。 事を摂った後に微睡んでしまったらしい。いつの間にか、テーブルの上から全ての器が下げられていた。己の油断を呪いつつ、嶋野はコーヒーを追加オーダーして欠伸を噛み殺した。 会計を終えて店を出た頃には、既に午前五時近かった。嶋野は煙草に火を点けながら車に乗り、白んで来た空の下へ走り出した。 明け方だからか、道はかなり空いていた。行き交う

    鳳凰落とし #13|松田悠士郎
    IDEA_JAM_U46
    IDEA_JAM_U46 2023/05/21
    こういうのって、ターゲットに近づくのが大変なのよね。