モールを出たワタシは即座そくざに煙草を取り出して火を点つけ、たっぷりと煙を吸い込みながらピンクに侵おかされた両目をしばたたかせた。あそこまで行くと害でしかない。 紫煙しえんを撒まき散らしつつバンデン・プラを停めたパーキングメーターまで戻り、料金を支払って運転席に潜り込んだ。煙草を揉もみ消してひと息吐き、コンビニ袋から缶コーヒーを引っ張り出してステイオンタブを起こした。今の今まで買ったのを忘れていた。恐るべしピンク。 バンデン・プラを出したワタシは、コピーしたMOMOちゃんの顔写真を仲間達に配って回ると、ムサいオッサンから貰もらった名刺を頼りに『鈴井プロダクション』へ車首を向けた。ストーカーの件についてどのくらい把握はあくしてるのか、藤村だけでなく社長にも聞く必要がある。 ドーム球場を横目に、ワタシは大通り沿ぞいのコインパーキングにバンデン・プラを入れ、徒歩とほで『鈴井プロダクション』へ向か
![「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#7|松田悠士郎](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/17d0405626d0628628d15fd08901988f2101feb2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F139603905%2Frectangle_large_type_2_da3ab35df4917d065caf5e927ef0b5f4.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)