「いよいよ、あいつもプロへの道を行くか」 友永が虚空を見上げながら言うと、二宮が横から口を出した。 「ユウちゃん、もしかしたらあっと言う間に追い抜かれるかもよ」 「抜けるもんならな」 友永が不敵に笑うと、更に井端が口を挟んだ。 「その前に俺が日本チャンピオン獲りますから!」 だが友永は井端の方を向かずに言った。 「オイ、誰か寝言言ってんぞ」 「ちょっと祐次さん!」 さすがに変な盛り上がり方をしそうになって来たので、三枝が強い口調で割り込んだ。 「ホラ、与太話してる暇無いぞ! 全員腿上げ!」 三枝が号令をかけると、選手達は思い思いの立ち位置を取り、ラウンド開始のベルと同時に身体を動かし始めた。 腿上げを二ラウンズこなした選手達は、更にバーピージャンプを二ラウンズ、反復横飛びを三ラウンズ立て続けに行い、一ラウンドの休憩を挟んでふたりひと組になり、パートナーに脚を持ち上げてもらっての腕立て伏せを