認知症だった呉服店経営者の女性が、相談していた80代の弁護士に5億円超の遺産を贈与するとした遺言書について、女性のめいが無効を求めた訴訟の判決があり、京都地裁が請求を認めた。判決は11日付。 判決によると、女性は預貯金約3億2700万円と呉服店の株式(約2億円相当)、土地建物(約1700万円相当)の財産を所有。2003年2月から弁護士と十数回打ち合わせ、同年12月、「私のいさんは後のことをすべておまかせしている弁ご士にいぞうします」と遺言書を作成。05年10月に法務局に遺言書が自分のものと申告し、09年2月に92歳で死亡した。 橋詰均裁判長は、遺言書の作成時点は「初期認知症の段階にあった」と判断。5億円超の遺産贈与には高度の精神能力を要するとした上で、「縁のある親戚に対し、預金さえも全くのこそうとせず、赤の他人に全遺産を贈与しようというのは奇異なこと」とした。 原告側の弁護士は「弁護