テルモが開発した直径0.18ミリの「世界で最も細い」皮下注射針。土台は直径約11ミリ=テルモ提供プラズマ加工は、従来の注射針(点線)よりもなめらかで鋭利な針先に加工できる=三菱マテリアル提供 【大和田武士】「痛くない注射針」の開発で、医療機器メーカーがしのぎを削っている。三菱マテリアルは4月、どんな注射針でも先端を細くできる製造装置を売り始めた。テルモは昨秋、世界で最も細い自社の注射針を、さらに1割細くした。患者の負担軽減につながりそうだ。 三菱マテリアルが開発したのは、注射、鍼灸(しんきゅう)、手術用などの針メーカー向けの製造装置。プラズマ加工と呼ばれる技術で、先端部の表面を千分の1ミリ単位まで滑らかに鋭利にできる。砥石(といし)などで削る従来の加工技術は小さな削り跡が残り、痛みの一因だった。 注射針は細すぎると、薬がスムーズに入らなかったり、針が折れたりする恐れがある。そこで、同