稲川会系暴力団の組長が実質的に経営する新潟県内の建設会社が、東京電力福島第一原子力発電所事故の復旧工事に作業員を派遣し、利益を得ていたことが、捜査関係者らへの取材でわかった。 何段階にもわたる下請けルートの末端に入り込み、東電の復旧工事費の一部を資金源にしていたとみられる。警察庁も暴力団の復興事業への介入を警戒している。 新潟県警の捜査関係者らによると、この組長は、昨年春から秋までの約半年間、社員2人を同原発の復旧工事に派遣。日当1万6000円のうち、社員には半額しか渡さず、計百数十万円の利益を得ていたとみられる。作業員は、高濃度の放射性物質が残る原子炉建屋周辺で、足場組みなどをしたという。 派遣していた建設会社は組長の息子が社長を務めていたが、県警は今年1月、労働者派遣法で認められていない危険業務に当たることを知りながら、社員3人を別の建設会社に派遣し、上越市内のJR北陸新幹線の建設工事