岐路に立つウクライナ戦争 習近平・マクロンによる停戦に応じたいゼレンスキー 開戦から1年 反転攻勢を準備するウクライナに悩むNATO諸国と中国の思惑 酒井吉廣 中部大学経営情報学部教授 4月5日に訪中したフランスのマクロン大統領と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、「(米国のように)中国との関係を切るのは利口ではない」(マクロン)、「習近平主席はタイミングが来ればゼレンスキー大統領と会うと語った」と話すなど、長期化かつ泥沼化するロシアのウクライナ侵攻の解決に、中国の力を借りたい気持ちを滲ませた。 また、マクロン大統領は帰国後の12日、「(米国の)同盟国であることは下僕になることではない」と、米依存のウクライナ支援に疲れたフランスや他の欧州諸国の世論を代弁するような発言をした。 欧州から見たウクライナ戦争は、明らかに転換点を迎えつつある。キーウ訪問を視野に入れた習主席もいよいよ