ギリシャ政府は8月20日までに、欧州中央銀行(ECB)に対する債務32億ユーロ(約4480億円)を返済した。ドイツをはじめとするユーロ圏加盟国が7月中旬に、総額860億ユーロ(約12兆400億円)をギリシャに融資する第3次救済パッケージを了承したからである。ギリシャ救済について懐疑的なドイツ連邦議会でも、半数を超える議員たちが独首相アンゲラ・メルケルの要請を受け入れ、8月19日の議決で、救援パッケージにドイツが参加することにゴーサインを送った。 ギリシャ危機は終わっていない 今年の夏、ギリシャは救われた。しかしその救済は一時的なものにすぎない。ギリシャ危機は、同じことの繰り返しである。2009年から欧州でギリシャ債務危機を観察してきた私は、深い既視感を抱いている。 ギリシャという患者の病は完治していない。同国は、薬の投与によって一時的に危篤状態を脱したにすぎない。医師団と患者は、今後も数1
![「欧州の覇権国」となったドイツの苦悩:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)