【書評】『鈴木さんにも分かる ネットの未来』川上量生著/岩波新書/900円+税 【評者】大塚英志(まんが原作者) 集団的自衛権をめぐって安倍晋三が「国民の皆さんに丁寧な説明」をしたことのアリバイ作りとして、ニコ生で連続放送をしたことで、蒸し返しておくべきは、その「来場者数」だ。7月6日(初回)の放送は1万3417人、7月10日の4回めは9184人である。番組は「公式」、つまりニコ生側の配信で、企業やユーザーが配信する形式より圧倒的に来場者数が多い仕組みだ。 しかし、例えば、ぼくが6月23日に「公式」番組として持ち込み企画でやった憲法番組は2万3000人。外国人記者クラブや国会での「憲法」「安全保障」関連では6月15日の国会審議の生中継が5万人(といっても放送は7時間強)、長谷部恭男、小林節両氏の会見が2万少し。 ここ半年、「憲法」「政治」系番組はおしなべて2万人前後で、パ・リーグの中継、夏