過去十数年にわたって自殺者総数こそ減少傾向にあるものの、日本ではいまだ10歳~39歳までの死因1位は「自殺」となっている。先進国の集まりであるG7の中でも、若者の死因第1位が自殺なのは日本だけ。異常な状況はなぜ生まれてしまったのか。 ここでは、若者の声を政治に反映させる「日本若者協議会」代表理事を務める室橋祐貴氏の著書『子ども若者抑圧社会・日本 社会を変える民主主義とは何か』(光文社新書)の一部を抜粋。日本で最も自殺者が少ない町に見られる、他の町との違いについて紹介する。(全2回の1回目/続きを読む) ◆◆◆ 自殺の少ない町の予防因子とは 子どもの自殺は、2022年に500人を超えて過去最多となった。なぜここまで自殺する子どもが増えているのだろうか。通常、増加要因を分析していくのが一般的だが、これまでそれによって成果が出ていないことから、今回は逆に、自殺の「少ない」地域の特徴を見ていきたい
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