「伝え継ぐ 日本の家庭料理」出版にあたって 一般社団法人 日本調理科学会では、2000年度以来、「調理文化の地域性と調理科学」をテーマにした特別研究に取り組んできました。2012年度からは「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の全国的な調査研究をしています。この研究では地域に残されている特徴ある家庭料理を、聞き書き調査により地域の暮らしの背景とともに記録しています。 こうした研究の蓄積を活かし、「伝え継ぐ 日本の家庭料理」の刊行を企図しました。全国に著作委員会を設置し、都道府県ごとに40品の次世代に伝え継ぎたい家庭料理を選びました。その基準は次の2点です。 ①およそ昭和35 年から45 年までに地域に定着していた家庭料理 ② 地域の人々が次の世代以降もつくってほしい、食べてほしいと願っている料理 そうして全国から約1900 品の料理が集まりました。それを、「すし」「野菜のおかず」「行事食」と