「先生、ヤバイよ! がんだと思う」 2011年の9月23日、窓の外に台風の嵐が吹き荒れる中、私は電話でがんの告知を受けました。 担当医は大学の1年後輩で、私のホームドクターの皿井靖長先生。学生時代からの懇意な関係ですから、こんな言葉になったと思いますが、「ヤバイよ!」とは、ずいぶん気軽な告知でした。 じつは40年以上前にも、私はがんの告知を受けたことがあります。結果的に誤診だったのですが、そのときは、家内も一緒に診察室に呼ばれ、重々しく、 「覚悟してください」 と言われたものでした。 皿井先生は間違いなく名医であり、私の命の恩人です。この気軽な言葉は、がんがいまや「不治の病」ではなく、「治る病」になったことの証しだと私は考えています。 もう28年も昔のことになりますが、私は月刊文藝春秋に「癌を告知する時代が来た」という原稿を書きました。 それまで、がんの告知は死の宣告と同じように扱われ、ほ
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