現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から 作者: 中川大地出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見るいやーこれはもうすさまじい力作で、ノンフィクションとしては間違いなく今年ベスト。現代ゲーム史として傑作なのはもちろん、数十年の歴史を通して「現実と仮想が融け合っていく」様相を提示し、ゲームの進化を通して人類文明の変遷を辿る新しい文明論としても素晴らしい作品だ。500ページを超える大著にも関わらず、最初から最後まですべてがおもしろく、買って一日で読みきってしまった。*1 ゲームで語る世界の変容の全体性 本書は「現代ゲーム全史」と名付けられているように、主に日米における20世紀後半から現代に至るまでのゲームの進化史を膨大な量のゲームと共に辿りながら、いかにゲームが人類社会を変容させてきたかを丸ごと語りつくさんとする一冊だ。その射程は序章の宣言