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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (9)

  • 世界最大級の淡水魚ピラルクー、「逆転の発想」で驚きのV字回復

    ブラジルのアマゾン川流域にすむピラルクーのウロコのクローズアップ写真。自然界の中でも、特に丈夫な素材として知られている。(Photograph by Andre Dib) 巨大な淡水魚は、地球上で特に絶滅が危ぶまれている動物のひとつだ。しかし、緑豊かなアマゾンの河川で、それに反する事例が生まれている。体長3メートル、体重200キロ以上になるピラルクー(ピラルク、アラパイマとも)は、わずか10年前、乱獲によって激減し、絶滅の危機に瀕していた。しかし、地域に根ざした保護活動が功を奏し、大幅に数が増えている。 ブラジルの生態学者で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるジョアン・カンポス・シルバ氏の研究によると、持続可能な漁に切り替えた地域では、ピラルクーの数が11年で425%も増えた。カンポス・シルバ氏は、ナショナル ジオグラフィック協会とロレックスによる「パーペチュ

    世界最大級の淡水魚ピラルクー、「逆転の発想」で驚きのV字回復
  • 人の顔を認識できない「相貌失認」は意外に多い? 最大5%にも

    親しい人の顔を覚えられなかったり、目の前にいる人の顔を識別できなかったりする「相貌失認」の人は、これまで考えられていたよりも多い可能性が研究で明らかになった。(PHOTOGRAPH BY BALLBURN_PHOTOGRAPHY, GETTY IMAGES) 伝説の霊長類学者ジェーン・グドール氏、俳優のブラッド・ピット氏、そして『と帽子をまちがえた男』の著者として知られる神経学者の故オリバー・サックス氏の共通点は何か? 答えは親しい人や有名人の顔を覚えられなかったり、見分けがつかなかったりする「相貌失認(そうぼうしつにん)」だ。 長年、相貌失認はまれな障害とされてきたが、2023年に学術誌「Cortex」に掲載された論文によれば、相貌失認の人はこれまで考えられていたよりも多い可能性があるという。この研究では、相貌失認の重さや症状は連続的で、その有無を単純に判定できず、使用する基準によって

    人の顔を認識できない「相貌失認」は意外に多い? 最大5%にも
  • 落葉の分解にもホームとアウェーの土壌がある、東大など実証

    森林において樹木が生育する土壌に特有の微生物の集まり(微生物叢)が落葉を効率的に分解していることを東京大学などの研究グループが野外実験で実証した。森林生態系の物質循環を担う微生物叢の働きに差があることを示しており、今後の森林保全において場所ごとに特有の微生物叢を保つことが重要だとしている。 森林生態系では、地面に落ちた樹木の葉が土壌中の微生物に分解され、分解の過程でできた栄養分を根から樹木が吸い上げて成長し、茂った葉がまた落ちて微生物に分解される――という、落葉と分解を伴う物質循環が起きている。落葉の分解速度については、「温度が高い方が微生物は活発に働く」「柔らかくて栄養分豊富な葉では分解が進みやすい」など、地域の気候や落葉自体の性質によって主に決まると考えられていた。 一方で、樹木が育つ場所(ホーム)はほかの場所(アウェー)より効率的に落葉を分解するという「ホームフィールド・アドバンテー

    落葉の分解にもホームとアウェーの土壌がある、東大など実証
  • 200年ぶりに大西洋でコククジラを目撃、「とんでもないこと」

    コククジラ(写真はメキシコ、バハカリフォルニア州の海を泳ぐメスとその子ども)は1700年代後半以降、捕鯨によって大西洋からはほぼ一掃されてしまった。(PHOTOGRAPH BY HIROYA MINAKUCHI/MINDEN PICTURE) 3月1日、調査のために米国マサチューセッツ州の沿岸を飛行しているとき、研究者たちは、予想すらしていなかったものを発見した。1頭のコククジラが、この種としては200年以上も目撃されていない場所で潜水し、浮上したのだ。 米ニューイングランド水族館の科学者たちは最初、眼下にいるのはセミクジラだと考えた。セミクジラはこの地域で絶滅の危機にあるため、定期的に監視されている。 しかし、しばらく時間をおいた後、もっとよく見ようと元の場所に戻って撮影すると、灰色の体には斑点があり、頭部は細長い三角形だとわかった。どちらもコククジラの特徴だ。 3月1日に目撃されたコク

    200年ぶりに大西洋でコククジラを目撃、「とんでもないこと」
  • 地球へ最後に衝突した巨大隕石、クレーターの位置を特定、研究 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

    最後に地球に衝突した巨大隕石がつくったクレーターは見つかっていなかった。このほど、東南アジアとオーストラリアに広く分布する天然ガラスを手がかりに、その場所を特定したとする論文が発表された。(ILLUSTRATION BY MARC WARD, STOCKTREK IMAGES/GETTY IMAGES) 2011年、地質学者のケリー・シー氏は、ベトナムのホーチミン市にある小さな宝石店で、2個の「テクタイト」と呼ばれる黒い物体に目を留めた。テクタイトとは天然ガラスの一種で、かつて地表の砂地に隕石が衝突したときに、熱で溶解して吹き飛ばされた石や砂が空中で冷え固まり、地上に降り注いだものと考えられている。 シー氏が目にしたテクタイトは、約80万年前に隕石が衝突してできたものであり、中国から南極まで、地球表面のおよそ20%に相当する広い範囲に分布している。このときの衝突は、直径数百メートル以上の天

    地球へ最後に衝突した巨大隕石、クレーターの位置を特定、研究 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
  • 熱帯からコンクリートジャングルへ ロサンゼルス名物のインコ

    インコは今や、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡でおなじみの鳥だ。ペットのインコが逃げ出し、個体数が増加した可能性が高い。(PHOTOGRAPH BY CHON KIT LEONG / ALAMY) 米カリフォルニア州のテンプルシティは、元日に米大学フットボールの「ローズボウル」が開催されるパサデナの東に位置する気取らない街だ。密に開発されたロサンゼルス郡の都市らしく、交通量の多い大通りとショッピングモール、住宅街がある。そして、人やペットだけでなく、意外な鳥の群れが暮らしている。 夕暮れどきになると、野生のインコが大群、単独、つがいで四方八方からやって来て、けたたましく鳴きながら頭上を旋回し、それぞれのねぐらに帰っていく。色鮮やかな鳥たちが樹木や電線、携帯電話の基地局に降り立つ風景は壮観だが、その存在を際立たせているのはむしろ大きな鳴き声だ。(参考記事:「森を追われたインコ、ブラジルの都会

    熱帯からコンクリートジャングルへ ロサンゼルス名物のインコ
  • なぜ無効な成分が市販のかぜ薬にずっと使われているのか?

    鼻づまりを改善する成分として多くの市販薬に使われてきたフェニレフリンは、飲み薬では効果がないと報告されていた。(PHOTOGRAPH BY NEWSCAST/UNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES) 鼻づまりを改善する成分として一般的な市販薬に使われてきた「フェニレフリン」は、飲み薬(経口薬)では効果がないという結論が、米品医薬品局(FDA)の諮問委員会によって下された。かぜとインフルエンザのシーズンが近づき、新型コロナウイルス感染症の流行も続く中、米国の消費者の間に動揺が広がっている。 フェニレフリンは、処方箋なしで買える多くの市販薬に使われている。鼻づまりを緩和する成分が含まれているとうたう米国の製品の大半にはフェニレフリンが入っていると、米テキサス大学ヒューストン医療科学センターの耳鼻咽喉科医で助教授のジェイソン・タルマッジ氏は言う(編注:日でもフ

    なぜ無効な成分が市販のかぜ薬にずっと使われているのか?
  • 地球外生命“発見前夜”、木星の衛星へ日本参画の探査機が船出

    「生命は必ずしも我我の五感に感ずることの出来る条件を具(そな)えるとは限っていない」とは芥川龍之介の言葉(警句集「侏儒(しゅじゅ)の言葉」)だが、どうだろう。21世紀の今、人類はこれに挑む新たな探査機を宇宙へと放った。地球外生命の手がかりを木星の衛星で探す欧州の「ジュース(JUICE)」だ。日は重要な観測機器の開発や科学研究で参画している。木星到着は8年後。果たして木星の衛星に生命がいて、科学技術で磨き上げた“五感”がそれを捉えられるだろうか。 「人類最大の疑問に答える」 ジュースは日時間4月14日午後9時14分、南米の仏領ギアナの宇宙センターから欧州のアリアン5ロケットで打ち上げられた。順調に飛行し28分後、高度1500キロで地球脱出軌道へと正常に投入。さらに22分後、ジュースの信号を地上で確認すると、管制員らが拍手をし、抱き合って喜んだ。欧州宇宙機関(ESA)のヨーゼフ・アッシュバ

    地球外生命“発見前夜”、木星の衛星へ日本参画の探査機が船出
  • 運動の好き嫌いは腸内細菌で決まる? 意欲高める仕組みを解明か

    米南メソジスト大学運動能力研究所で、パラリンピックの短距離選手の運動機能を分析している。この選手の走るモチベーションの一因は腸内細菌にあるのだろうか?(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NAT GEO IMAGE COLLECTION) マウスの中には、あまり活発でないものもいれば、回し車で走りたがるものもいる。この違いは、腸内細菌による影響かもしれない。2022年12月14日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された研究により、運動好きのマウスの腸内には、運動への意欲を高める信号を脳に送る細菌がすんでいることがわかった。人間にも同じことが言えるだろうか? 定期的な運動が健康によく、多くの病気のリスクを減らすことは以前から知られている。しかし、成人の80%以上は世界保健機関(WHO)が推奨する週150分以上の運動をしていない。世界的に見て運動不足は、早死や冠動脈性心疾患、

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