優勝ペナントを持つ阪急出身の阪神・杉山健博オーナー(左)と岡田彰布監督=14日、甲子園球場(撮影・安部光翁) プロ野球阪神タイガースが14日、18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた。「岡田監督の強いリーダーシップの下で見事に結実した」。誰よりも喜んだのは、同日夜、談話を発表した親会社の角和夫阪急阪神ホールディングス(HD)代表取締役会長兼グループCEO(最高経営責任者)だった。「グループの歴史に輝かしい一ページを加えてくれたことは、この上ない喜び」との言葉には「岡田阪神」誕生を決断したトップの思いが込められていた。 昨年9月、大阪・茶屋町にある阪急阪神ホールディングス(HD)の役員室に重苦しい空気が流れた。 「来季監督は岡田彰布(あきのぶ)氏に要請しなさい」 阪神の藤原崇起(たかおき)オーナー(現阪神電気鉄道相談役)の平田勝男2軍監督の昇格案は、角会長に瞬く間に却下され、阪神電鉄本社首脳の覚悟