西洋古典学やヨーロッパ古代史を学ぶ読者にとって、ギリシャ語・ラテン語の主要テクストを網羅的に収録したシリーズ「Loeb古典叢書(Loeb Classical Library)」はマストアイテムである。大学の研究室や図書館には、壁一面にこのシリーズが配架されているところも多いだろう。 Loeb古典叢書は1911年、James Loebによって創刊された。古典語のテクストをより広い層の読者に届けることを目的とする事業だったという1 。 そんな「Loeb古典叢書」がこのたび、ハーバード大学出版局の手によってデジタル化される運びとなった。記事下部に掲載したプロモーション動画によれば、テクストの閲覧はもちろん、作者や時代などのジャンル別検索や、ブックマークおよびメモの記入も可能である。記入したメモは知人間でシェアすることもできるという、まさにソーシャルネットワークの時代にふさわしいシステムとなってい