この画像を大きなサイズで見るistock 一般常識と考えられているものの中には、何の疑いももたず、その根拠を確かめることなしに信じ込んでしまっているものもあるようだ。 その1つに「舌は場所によって味の感じ方が違う」というものがある。舌にはそれぞれの味に対応した”味覚帯”があるというのだ。これは誤りである。その誤解を生み出した張本人はエドウィン・ボーリングというアメリカの著名な心理学者である。 ニューヨーク・タイムズ紙のC・クレアボーン・レイ氏によれば、人間の舌には、確かにある味に対して他の場所よりわずかに敏感な場所があるが、ほんとうに「わずか」で、その場所を正確に突き止めることはほとんど不可能だという。 実際の舌とは、複数の味を検出できる多様な味蕾がひしめく複雑な器官である。それ故に特定の味受容体が特定の部分に偏って存在するということはない。 なぜ誤解が広まったのか? ではなぜ誤解が広まっ