サイバー攻撃事件の裏側 “国家権力”を体現してきた公安警察が再起動したのだろうか。絶妙のタイミングで、カードを切ってきたのである。 公安警察の中核である警視庁公安部が4月20日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめ、三菱電機、慶応義塾大学といった防衛・航空関連に携わる約200の研究機関、企業へのサイバー攻撃に関与していたとして、中国共産党員で、中国国営の情報通信企業の30代のシステムエンジニアを私電磁的記録不正作出・同供用の容疑で書類送検したと、異例の発表を行った。 事件発生そのものは、5年ほど前の2016〜2017年。容疑者の男も、協力者の元中国人留学生も2人揃ってすでに出国しており、普通に考えれば公安当局にとってはもはや利用価値はない事件だった。 しかし、対中国強硬路線で合意した日米首脳会談直後の発表というタイミングの上に、サイバー攻撃には中国人民解放軍の指示があったという、公安お