冷えきった国同士の関係がサッカーの場に持ち込まれる。ロンドン五輪で領土を主張した韓国人選手。この7月には韓国スタジアムで日本人サポーターが旭日旗を掲げた。その意図は何だったのか。 時に緩和されるも緊張感が常に支配する、そんな2国の歴史の中でも、前代未聞の出来事が起きたのは今年7月28日。東アジアカップの日韓戦が行われたソウル蚕室(チャムシル)スタジアムにおいてだった。特大の旭日旗が一人の日本代表のサポーターによって掲げられたのだ。これほど巨大なものが揚がったのは初めてのことで、両国の世論や政治家を巻き込む騒ぎになった。 旭日旗を掲げたのは彼のハンドル名は応援旗がしなる様から「しなり」、35歳。もともとは横浜F・マリノスのサポーターだが、2010年のアウェー大宮戦でピッチに飛び降り、警備員暴行で逮捕され、現在はクラブから無期限出入り禁止処分を受けている。 小学2年から神奈川県民、高校は桐蔭学