現在のSI業界の一つの課題として人月積算ビジネスが挙げられます。人月積算ビジネスとは、人月積算で金額を決めておきながら、瑕疵担保責任としてSI事業者が完成責任を負わされるビジネス構造です。 例えば、システムエンジニアが1ヶ月100万円とすると、システムを作るのに、10ヶ月ほどかかるシステムであれば、エンジニアの見積もりとしては10人月、1000万円という見積もりになります。これは、1ヶ月で働くエンジニアの生産性が均一であることが大前提の積算システムなのです。 ではなぜこんな価格算定方法になったのでしょうか。人月積算の歴史を紐解くとよくわかります。1970年代システム開発はメインフレームを販売し、そのハードウェア販売への対価をもらうビジネスでした。プロフェッショナルサービス(導入に関するエンジニアリング)は無償で提供され、メインフレームが持つテンプレートをそのまま使うのが主流でした。1980