■北方領土「クリール諸島解放」正当化 【モスクワ=遠藤良介】ロシアのプーチン政権が学校で使われる歴史教科書の統一に動いており、その基礎となる指導要領が近くまとまる見通しとなった。政権が教科書向けの統一史観を打ち出すのはソ連崩壊後初めてで、自国の歴史に対する「誇り」や「愛国心」を根付かせて国民の団結を促す狙いがある。ただ、ソ連時代の「負の側面」は矮小(わいしょう)化される方向で、第二次世界大戦をめぐる歴史認識は日露関係にも微妙な影響を与えそうだ。 ◇ プーチン大統領は2月に統一教科書を策定する方針を示し、歴史専門家らが指導要領について議論してきた。29日付の露有力紙、独立新聞によると要領は調整を経て11月1日に大統領に提出される予定だ。 ◆一体感を創出 ソ連崩壊後のロシアでは教育現場が混乱し、今年は65種類もの歴史教科書が使われている。プーチン氏はこの状況