民主党代表選で、小沢一郎前幹事長はこれまでほとんど争点にならなかった「国のかたち」をめぐる問題に言及した。 一つは、皇位継承を男系男子に限っている皇室典範について「男系の男性にはこだわっていない」と述べ、女性天皇を認める考えを示したことだ。過去に女性天皇は在位したが、全員が父方の祖先に天皇を持つ男系だった。女系を認めるのはその歴史を根底から変えることになり、重大な問題だ。 小沢氏は昨年暮れ、天皇陛下と習近平中国国家副主席の特例会見を、当時の鳩山由紀夫内閣とともに強引に実現させたことでも知られる。天皇と外国要人の会見は1カ月前までに申請が必要というルールを無視したものだった。 この時、小沢氏は「内閣が判断したことについて、陛下がその意を受けて行動なさることは当然のことだ」と述べた。内閣による天皇の政治利用を正当化した不適切な発言である。時の内閣が天皇を意のままに動かせるかのような傲慢(ごうま