今を遡ること約2000年、紀元前の古代ローマ帝国・初代皇帝アウグストゥスは、ある法律を制定した。 関連情報を含む記事はこちら その名も── 姦通処罰法。不貞や同性愛、売春など、エスカレートの極みにあった性的状況を憂慮してのことだった(もっとも本人も好き者だったそうだが)。 古代ローマには「浴場」という名のもと、売春専門として欲情を処理する売春目的の場もあったそうで、日本の風俗とどこか似たものを感じる。 悠久の歴史を経て受け継がれた(?)風俗業界を手掛かりに、見えそで見えない日本の夜を、経済的視点で分析しちゃおうというのが本書『夜の経済学』(飯田泰之、荻上チキ/扶桑社)だ。 いきなりだが、日本にはフーゾク嬢は一体何人いるのか? ──約30万人。 日本の人口が1億2760万人(2012年)とすると、なんか少ない気がする。しかし、本当に「少ない」のだろうか? 本書では「風俗」と「フーゾク」を明確