経済学は人類規模の思考実験 経済学とはどんな学問なのか。数多くの入門書や教科書があり、どの本を手に取ればよいのか迷う人も多いだろう。今回は、現代経済学の基本を解説しつつ、その「弱み」にも触れるユニークな入門書を取り上げる。数式は登場せず、読み物として楽しめる本を選んだ。 東京大学名誉教授の井堀利宏著『 超速 経済学の授業 』(あさ出版/2024年4月刊)は、短時間で経済学の基礎を吸収できるように工夫した本。先生(井堀氏)と生徒が対話(授業)形式で話を展開する。「一般の社会人が世の中の動きを知る上で身につけておきたい経済学の知識を大胆に取捨選択した」という。 「第0時限」のテーマは「経済学は人類規模で実施する思考実験」。経済学は経済の仕組みを明らかにする学問であり、現実の世界で私たちが豊かになるための方法を考えていると説明する。 同書によると、実験を通じてある主張(=仮説)を明らかにすること