田中ーそんなことはねえよ! 大喜びだったんだよ! 谷崎は一躍反自然主義派の旗手となる。谷崎の作品はデビュー当時からセンセーショナルなものが多かった。『悪魔』という作品では、恋人の鼻汁のついたハンカチをペロペロ舐めるというシーンが描写されていて、これが汚いということで、耽美主義派からかなりの攻撃をされたんだ。 太田ーああ、それで谷崎って“元祖・ハンカチ王子”って言われてるんだ。(爆笑問題著「日本文学者変態論」より) 昨日、書店で何気なくタレント本コーナーを見やると「日本文学者変態論」などという、およそタレント本らしからぬ重厚(?)なタイトルのハードカバー本が目に飛び込んできた。どうやら「爆笑問題の日本史原論」シリーズの最新刊として出たものらしいのだが、立ち読みしているうちについつい面白さに引き込まれてしまい、最終的には買うことになってしまった。読了してしまうにはもう少し時間を要するが、文学史