グーグルのことを知っているようでいて、よく知らなかったということがよくわかる一冊である。恥ずかしながらインターネットの会社に勤めていて毎日毎日グーグルのことを使っているのに不勉強のそしりを逃れられない。 著者はハッカー倫理を紹介した書籍『ハッカーズ』のスティーブン・レヴィ。 秘密主義で知られるグーグルに内部取材を許可され内部の人間にしか知りえないインサイダーとしてのドキュメントをものにしている。その意味でこれはグーグルにとっても、外部のもの(われわれ)にとっても貴重なエスノグラフィー(民族誌)となっている。 『わたしのインサイダーとしての視点は、グーグルの二つのブラックボックスー検索エンジンと広告システムーを開けるカギとなり、これまえ知られていなかった多くの事実を明らかにすることができた』019ページ そして、著者が言うようにこの二つのブラックボックスに関して極めてわかりやすく明快に説明す