藤本貴之[東洋大学 教授・博士(学術)/メディア学者] *** 安倍晋三前首相殺害事件の犯人が「統一教会に家族を破壊された」ことを動機にしていたことから、急速に再注目されている「旧・統一教会と政治の問題」。80年代から霊感商法や合同結婚式、多額献金といった問題が批判の対象となってきたが、今回、久しぶりに大きな注目を集めることとなった。 旧・統一教会が想像以上に日本の政界に深く食い込んでいたというニュースは、スキャンダルとしてワイドショーや情報番組でも連日報じられたことで、それは国民的恐怖ともなった。その結果、「政治と統一教会」だけでなく、アンタッチャブルとされてきた政治と宗教の問題をも国民的関心となっていったことは、不謹慎かもしれないが、いわば「怪我の功名」なのかもしれない。 一方で、「統一教会問題」について実業家「ひろゆき」こと西村博之氏が、なぜか積極的に追求し、統一教会と関係のあった政