衆院選は自民、公明の与党が過半数を大きく超えた。有権者は安倍首相の続投を選んだ。 森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散――。みずから仕掛けた「権力ゲーム」に、首相は勝った。 ただ、政権継続を選んだ民意も実は多様だ。選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある。 ■選挙結果と違う世論 本紙の直近の世論調査によると、「安倍さんに今後も首相を続けてほしい」は34%、「そうは思わない」は51%。 国会で自民党だけが強い勢力を持つ状況が「よくない」が73%、「よい」は15%。 「今後も自民党中心の政権が続くのがよい」は37%、「自民党以外の政党による政権に代わるのがよい」は36%。 おごりと緩みが見える「1強政治」ではなく、与野党の均衡ある政治を求める。そんな民意の広がりが読み取れる。 ならばなぜ、衆院選で自民党は多数を得たのか。死票の多い小選挙区制の特性もあるが、それだ