「野党は反発」といった表現が政治報道で多用される問題を考える記事の、今回は3回目となる。 1回目は、野党については「反発」という言葉を使う一方で、菅義偉首相については「色をなして反論」と、「反発」という言葉を避けていることを見た。2回目は、安倍晋三前首相の答弁について「反発」という言葉が用いられた例を紹介しながらも、「反発」という言葉は、「お上」の意向に逆らう側に使われる傾向があり、政治報道の言葉遣いには、政権寄りのバイアスがかかっているように見える、と書いた。 その後、数名の方から重要な指摘をいただいた。それらを踏まえて今回は再考したい。ただし、「野党は反発」という表現は慎重に使っていただきたいとの主張は、変わらない。 まず、国際関係に関わる記事において「日本政府は反発」といった表現は普通に見られ、その場合に記事の執筆者が相手国のことを「日本政府より目上」と考えているとも思えず、従って、