殺害された妻の遺影に手を合わせる藤本護さん。「犯罪被害者の現実を知ってほしい」という=兵庫県尼崎市(細田裕也撮影) 一家の大黒柱を奪われるなど経済的に困窮する犯罪被害者の救済制度の確立を求める「犯罪被害補償を求める会」(兵庫県尼崎市)が、発足から1年を迎えた。メンバーは基金の設立などを求め、国会議員と面談するなど地道に活動を展開。法改正への道のりは始まったばかりだが、代表の藤本護さん(79)は「お金の問題はどの被害者にとっても深刻で切実。厳しい現実を多くの人に知ってもらいたい」と訴えている。 ■20歳の命の値段560万円? 同会は平成14年3月に尼崎市の自宅前で妻=当時(70)=を近所の男(懲役10年が確定)に刺殺され、自らも重傷を負った藤本さんが中心となり、昨年10月に設立。現在、趣旨に賛同する7家族23人が参加している。 犯罪被害者への経済的支援をめぐっては、昨年7月の犯罪被害者等給付