【シドニー=吉村英輝】オーストラリア最大の都市シドニー近郊のストラスフィールド市議会は1日、「慰安婦像」設置の当否をめぐる初の審議会を開催した。中国系と韓国系の市民が連携して同市に設置の嘆願書を出していた。オーストラリアの地方議会で「慰安婦像」設置が審議されるのは初めてだが、同市議会は「州か連邦政府が立場を明確にすべき問題だ」として判断を回避した。 審議に入る前、地域住民ら8人が、賛成と反対の立場から意見を表明した。 日系の男子大学生は「像設立は日本人や日系住民への差別を助長する」と述べ、友人の女性が中韓の友人から敵対的な扱いを受けたと発言。日系以外の市民も「特定の人種攻撃で、多様な民族が調和してきた努力が台無しになる」と相次いで懸念を表明した。 一方、韓国系住民は「アジアの女性20万人が日本軍の性奴隷にされた。像は暴力防止の象徴になる」と主張。中国系代表は「米国など各国に慰安婦像はある。