この国を代表するクリスマスソング、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」は、失恋の歌だ。 ぼくも、恋人がいない時に寂しく過ごしたクリスマスのほうがはっきりと記憶に残っていたりして、どうもクリスマスというのは、孤独な気持ちのほうが似合う日なのかもしれない。 クリスマスの時期、仲良く手をつないでいる恋人たちやプレゼントを選んでいる親子はだいたい笑顔で、とても幸せそうに見えるし、そうではない人間にとっては、自分とのコントラストを強く感じさせる、ひどく寂しいシーズンなのだ。 それにしても、不思議だなあ、と思う。 そういう幸せそうな人たちが街じゅうにあふれかえる光景というのを、年中見かけるわけではないからだ。 別にクリスマスにこだわらず、いつだってみんな幸せそうに歩いていればいいものだが、普段は不機嫌な顔ばかりが目につく。 そりゃまあみんな毎日を懸命に生きているからだし、決して生活は楽ではないわけで、仕