歴史上の多くの偉大なアイデアと同様、テトリスも全く意図せずに生まれたものだった。 アレクセイ・パジトノフさんは当時、モスクワのソ連科学アカデミーでソフトウエア技術者を務めており、新型コンピューター「エレクトロニカ60」の試験を任されていた。そこで、子どものころ遊んだパズルを基に単純なゲームを作成。エレクトロニカ60の性能評価に役立てつつ、ちょっとした楽しみにもなれば、と考えた。 出来上がったゲームが史上有数の中毒性を持つゲームとして成功するとは思いもよらなかった。 時は1984年6月6日。テトリスによる鉄のカーテンの向こう側からの旅は始まったばかりだった。 テトリスはパズルゲームの一種で、プレーヤーは落下してきた「テトロミノ」と呼ばれる幾何学形状を隙間なく並べてラインを作る。パジトノフさんが着想源としたのは、「ペントミノ」と呼ばれる古典的なボードゲーム。五つの正方形の組み合わせによってでき
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