■蔑視でなく日本再発見の道 福澤諭吉の「脱亜論」が書かれたのは明治18年。それから130年後の今出版された本書を読むとき、歴史は繰り返される、しかし失敗を繰り返してはならないという著者のメッセージの重要性がひしひしと伝わってくる。 当時、福澤も支持していた金玉均ら朝鮮開明派のクーデターは清国の干渉によって失敗、朝鮮半島は清の冊封体制に組み込まれる。ロシアは膨張政策を続け極東に進出、日本は国家的危機を迎えていた。福澤の脱亜論はアジア蔑視ではなく、近代化に失敗し華夷秩序を脱し得ない朝鮮と清国との決別であり、同時にロシアに対する防衛論でもあったことを、著者は当時の国際情勢から読み込んでいく。 その上で、反日イデオロギーに自閉し事大主義から中国に依存する韓国、覇権主義と中華思想という華夷秩序の復活を目指し、国内ではナチス同様の民族浄化政策を展開する中国という現在の東アジア情勢に向けて、著者は再び「
![【書評】評論家・三浦小太郎が読む『21世紀の「脱亜論」 中国・韓国との訣別』西村幸祐著](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bb438a63e8ae5952888c51aabed16057f06c6fbd/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fresizer%2F2O4JsaObFjfzfxdG49kj1bUtHZ4%3D%2F1200x630%2Fsmart%2Ffilters%3Aquality%2850%29%2Fcloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com%2Fsankei%2FR7VVPTUWPVPFJOUNIY6XJDKDVE.jpg)