年の瀬も押し詰まった剱(つるぎ)神社(越前町織田)の拝殿からは、優雅な鈴の音が聞こえている。今年も巫女(み・こ)姿の中学生たちが、三が日の祈祷(き・とう)で神楽を奉納するため特訓中だ。 納める神楽は「末広の舞い」と呼ばれる2分間ほどの舞い。地元の織田中学校に通う10人が、白衣に緋袴(ひ・ばかま)姿で扇と鈴を手に、太鼓と笛の音に合わせてゆっくりと優雅に回る。 剱神社では戦後間もない頃から参拝者の所願成就を願って中高生が巫女を務め、神楽を奉納してきた。今年は新型インフルエンザの影響で冬休みに入っても補習があり、練習期間は28日からのわずか3日だけ。時間が限られているため、1日4時間ほどの練習に熱が入る。 2年生の三田村美穂さん(14)は「練習時間が短いから大変だけど、息を合わせてきれいに舞いたい」と意気込んでいた。 中学生たちは三が日の間、2人ずつ交代で神楽を奉納する。元日の午前0時と