リニア中央新幹線の建設に伴って発生する大量の土砂を約50キロにわたって鉄道で運び、奈良県五條市の大規模広域防災拠点の整備に使う――。県がそんな構想を練っている。リニアの事業主体・JR東海や国にも示しており、県は土砂を積み降ろす貨物駅の新設や土砂置き場の設置など具体的な検討を進めている。【久保聡】 東京と大阪を結ぶリニア中央新幹線は全国新幹線鉄道整備法に基づき、整備が進められる。東京―名古屋の開業は2027年、名古屋―大阪の延伸開業は37年を目指している。同法に基づく基本計画と11年に決定した整備計画では「奈良市付近」がルートに入っており、県は駅の位置の確定や早期着工などを国などに求めている。 一方、県は災害時に紀伊半島全体を救援・支援する活動拠点として、五條市に大規模広域防災拠点を整備することを決めている。まずは600メートル級の滑走路を備えた拠点を整備し、その後、山間の谷部を盛り土工事で
復元された御殿場馬車鉄道の客車に乗る子どもたち=静岡県御殿場市山之尻で2021年12月12日、長沢英次撮影 明治後期から昭和初期まで静岡県御殿場市などで運行された御殿場馬車鉄道の客車が復元された。2022年の夏ごろ、実際に馬が引いて走る様子を再現する予定だ。 有志でつくる御殿場馬車鉄道研究会(菅沼弘会長)によると、馬が車両を引いて線路の上を走る馬車鉄道は、幹線の鉄道路線から外れた地域に人や物資を運ぶため、全国各地で建設された。御殿場馬車鉄道は1898年に御殿場市内で開業。小山町に延伸され、籠坂峠までの約18キロで富士山への登山者などを運んだ。鉄道網の発達などで1928年に廃止された。 馬車鉄道の歴史を後世に残そうと、研究会は客車の復元を計画。クラウドファンディングで資金を募り、目標額を大きく上回る約240万円が集まった。製作にあたっては、オリジナルの低燃費カーなど長年ものづくりに携わってい
昆虫葬をした兵庫県西宮市の自営業、福井貴行さん(45)は語る。小学2年の長女が約3カ月間、育てていた雌のカブトムシが9月に死んだ。屋外の公園に埋めることも考えたが、死骸に付いた病原菌が地域の生態系に悪影響を及ぼすことを懸念した。可燃ごみとして捨てるか悩んでいた際、インターネットで知った昆虫葬に申し込んだ。「カブトムシが死んで娘も悲しんでいたが、死骸も丁寧に扱ってくれたので、安心した様子だった」と話す。 2019年から昆虫葬のサービスを提供している「愛ペットグループ」では、19年は申込件数が10件ほどだったが、20年は約40件に増加。21年は10月末時点で約100件と年々増えている。昆虫のほとんどはカブトムシかクワガタで、幼児や小学生が育てたものだという。 昆虫葬の流れはこうだ。利用者は死んだ昆虫を持ち込むか、乾燥剤やクッション材が入った専用キットで郵送する。昆虫はその後、兵庫県尼崎市にある
発掘中の沖縄県宮古島市「長墓遺跡」。日本列島史の成立にかかわる重要な発見があった=2008年撮影、マーク・ハドソン氏提供 日本語の元となる言語を最初に話したのは、約9000年前に中国東北地方の西遼河(せいりょうが)流域に住んでいたキビ・アワ栽培の農耕民だったと、ドイツなどの国際研究チームが発表した。10日(日本時間11日)の英科学誌ネイチャーに掲載された。 日本語(琉球語を含む)、韓国語、モンゴル語、ツングース語、トルコ語などユーラシア大陸に広範に広がるトランスユーラシア語の起源と拡散はアジア先史学で大きな論争になっている。今回の発表は、その起源を解明するとともに、この言語の拡散を農耕が担っていたとする画期的新説として注目される。 研究チームはドイツのマックス・プランク人類史科学研究所を中心に、日本、中国、韓国、ロシア、米国などの言語学者、考古学者、人類学(遺伝学)者で構成。98言語の農業
京都府警は11日、マッチングアプリで知り合った女性を「日本アムウェイ」(東京)への会員登録という目的を告げずにエステに連れ出し、登録を勧誘したとして特定商取引法違反の疑いで、地方公務員、森口卓也容疑者(26)=京都市中京区=と自営業、岡田真理容疑者(38)=同市山科区=を逮捕した。 捜査関係者によると、生活用品などの無店舗販売を手掛けるアムウェイへの勧誘を巡り立件するのは全国初とみられる。 逮捕された2人は3月、森口容疑者がアプリで知り合った女性に対し、アムウェイのことは伝えず「エステをしないか」と誘い、施術後に会員登録の勧誘をした疑いが持たれている。化粧品の購入を勧め「アムウェイに登録しないと買えない」などと説明していたという。女性が府警に相談した。
江ノ島電鉄(本社・神奈川県藤沢市)は、遮断機や警報機のない「勝手踏切」と呼ばれる2カ所の横断場所に住民が開けられる鍵付きの扉を初めて設置した。江ノ電沿線に89カ所ある勝手踏切の一部は近隣住民が生活道路として日常的に横断し、事故もあるため、江ノ電と住民が協議を重ねていた。国土交通省によると、1月時点で勝手踏切は全国に約1万7000カ所あるが、今回のような扉の設置は「聞いたことがない」としている。 扉が設置されたのは同県鎌倉市の稲村ケ崎駅近くで、2007年に当時80代の女性が電車と接触して片足を切断する事故が起き、その後通行できないように鉄柵やロープなどで閉鎖された場所と、そこから約20メートル東にあり14年に閉鎖された場所。4日までの工事で縦約100センチ、横約110センチの鉄製の扉がそれぞれ設けられた。鍵穴はなく、つまみをひねれば開閉できるタイプの鍵がついている。
VAIOの新製品発表会で、個人向け製品や海外展開の強化を表明した山野正樹社長(右)と林薫PC事業本部長=東京都港区で2021年10月13日午後1時55分、加藤美穂子撮影 「ソニーを見返す」。7年前に不採算事業として、ソニーグループから切り離されたパソコンメーカー「VAIO」が復活の道を歩んでいる。スマートフォンやタブレットが普及し、先行きが不安視されていたが、ここまで6年連続で黒字決算を維持し、売上高は独立直後に比べ約3倍になった。大企業の花形事業から、長野県が本社の小さな企業になったVAIOはなぜ復活できたのか。 「独立後7年間は法人向け製品に一丸となって取り組んできた。今後は個人向けも再強化し、海外でもより多くのお客様へ製品を届けたい」。13日の新製品発表会で、山野正樹社長はVAIO再生を次のステップに進めることを宣言した。 高機能とスタイリッシュなデザインの両立。それが、ソニー時代か
山口県下関市の市立豊北中学校(生徒109人)が生徒に体育座りを極力させない取り組みを進めている。体育の授業や集会などでは当たり前になっている座り方だが、専門家からは「座骨にストレスがかかる」など健康面の問題も指摘されている。PTAも巻き込んだ「脱・体育座り」に生徒たちの反応も上々だ。 きっかけは矢田部敏夫校長が4月ごろ、体育館で開かれた生徒会などで体育座りをしている生徒のつらそうな表情を目にしたことだった。体育座りをする機会は月1~2回とはいえ、長い時は1時間に及ぶ。矢田部校長を含め教職員も体育座りをしていることもあり「無理な姿勢を長時間続けることは生徒の健康に関わる」と判断した。 教職員らは、入学式や卒業式など特別な行事で使っていたパイプ椅子に目をつけた。使う場合は、床を傷めないよう幅約1・5メートル、長さ約20メートルのゴム製シートを数枚敷く手間がかかることが課題だったが、椅子につける
多くの足を持つ見た目の気持ち悪さで害虫扱いされている外来ヤスデ「ヤンバルトサカヤスデ」がこの夏、鹿児島市内の住宅地で例年より2カ月も早く大量発生し、住民を悩ませている。何が起きているのか。現場を訪れた。【足立旬子】 9月初め、市南部の高台にある住宅地の家の周囲には、体長2センチほどの茶色いヤンバルトサカヤスデの死骸がたくさん落ちていた。薬剤で駆除されたのだ。近くに住む60代の女性は「ヤスデがいるんじゃないかと思うと怖くて、8月は床にごろんと寝そべることもできなかった」。70代の男性は「夜になると壁をよじ登って天井まで達した」と話した。 住民は、市が無料配布する駆除剤をまいたり表面がツルツルした養生テープを張ったりして、室内への侵入を防ごうとしているが、完全には難しい。刺激を与えると毒性のシアン化合物を含むガスを出すため、焼いたり熱湯をかけたりするのは厳禁だ。
閣議後の記者会見で菅義偉内閣の評価について答える麻生太郎副総理兼財務相=東京都千代田区の財務省で2021年9月7日午前11時10分、町野幸撮影 麻生太郎副総理兼財務相は7日の閣議後の記者会見で、自民党総裁選に菅義偉首相が不出馬を表明したことに関し、「(新型)コロナ(ウイルス感染拡大)はまがりなりにも収束し、まっとうしたという思いがあったのだと思う。尊重すべき判断だ」と述べた。東京都などの感染者数は減少傾向を見せているが、全国各地で病床逼迫(ひっぱく)が続いており、閣僚が「収束」と発言したことは議論を呼びそうだ。 麻生氏は、6日の東京都の新規感染者数が約1カ月半ぶりに1000人を下回ったことに触れ、「コロナはまがりなりにも収束して国際社会の中の評価は極めて高い。そういった意味では『まっとうした』という思いが(菅首相に)あったことは確かだ。私はそこの部分が(不出馬表明の理由として)一番大きかっ
北九州市八幡西区で2020年11月、高齢の男性が車にはねられて死亡する事故があり、福岡地裁小倉支部は8月31日、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた会社員の男性被告(48)=同区=に禁錮1年4月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年4月)の判決を言い渡した。事故現場はJR筑豊線付近の道路で、被告は8月17日の初公判の際に「趣味で列車の写真を撮るために(撮影スポットの)踏切に向かっていた」と証言していた。筑豊線では事故当日、旧国鉄時代から運用され、クリーム色に朱色のラインが入った人気のディーゼル車両「キハ66・67形」が運行されていた。 判決などによると、被告は20年11月8日午前10時半ごろ、八幡西区折尾2で脇見をするなどして安全確認が不十分なまま、時速約20キロで乗用車を漫然と運転。散歩していた同区の無職男性(当時78歳)に気付かず衝突して転倒させ、車の下に巻き込んだまま約49メートル
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