JR東日本常磐線の土浦駅に「行商台」という珍しい物が先日まで残っていた。板張りの台座と金属製の骨組みからなり一見古びたベンチに見えるが、人が座るにはやや高い。戦後間もない時期に行商人が荷置きに使っていたが、このほど鉄道博物館で保存されることになった。 行商が盛んだった常磐沿線 土浦駅上りホームの水戸・いわき寄り先端にこの行商台はあった。かつては行商人が背負う籠を置くために使われていたが、行商そのものが衰退してからはほとんど使う人がいない状態だった。それが2021年11月16日に鉄道博物館(さいたま市)に移されて保存が決まった。 鉄道博物館学芸員の奥原哲志さんは18日、J-CASTニュースの取材に、収蔵の経緯を次のように話す。 同館で20年6月に開催した常磐線に関する企画展「全線運転再開記念 常磐線展」に先立ち日暮里から岩沼に至る常磐線全駅を調査したところ、土浦駅に行商台がまだ残っていること