キノコはライフスタイルから、おおざっぱに二つの仲間に分けられる。「腐生菌」と「菌根菌」だ。 前回の「菌根菌」に続いて、今回は「腐生菌」の中で、特に木材を分解する「腐朽菌」にまつわるお話。 『 ヤマドリタケモドキ 』はキンコンキン? もしも世界にキノコがいなかったら、世界はどうなってしまうだろう。 キノコのことを以前は義務教育で、「花の咲かない植物」(注)として教えていたという。しかしキノコは、もちろん植物ではない。 植物は光合成によって二酸化酸素と水から様々な有機物質を作り出し自分の体を形づくる。キノコは枯れ木や動物の死骸を腐らせ分解し、水と二酸化炭素に戻す。正反対の性質をもった生き物だ。 生態系という大きな枠組みの中でいうと、いわば有機物を作り出す生産者の植物に対して、キノコはそれらを元に戻す還元者としての役割を担っている。 世界にキノコが無かったら、割と短期間で、世界は枯れ木や生き物の