「男はつらいよ」などの映画製作を通じて戦後日本を見つめ続ける山田洋次監督(83)が十五日、名古屋市内で本紙のインタビューに答え、政府・与党が成立に強い意欲を見せる安全保障関連法案に「いざとなっても戦わないのが、この国のあり方だ」と反対した。 山田監督は幼少期を旧満州(中国東北部)で過ごし、十三歳で終戦。中国では日本人が中国人を差別する姿を何度も見た。十四日に安倍晋三首相が発表した戦後七十年談話については、自らの経験を踏まえて「日本人が中国や韓国の人たちにどれだけひどいことをしてきたのかという思いが込められていない。なぜもっと素直に謝罪できないのかな」と感想を述べた。 安保関連法案の成立を推し進めようとしている政府・与党の姿勢には「なぜ米国の戦争をお手伝いするための法律を一生懸命作らなきゃならないのか」と疑問を呈し、「法案は『何かあったら戦う』となっているが、『いざとなっても戦わない』とい